オンラインAGA診療は、手軽に基本的な薬物療法(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル外用薬など)を開始できるというメリットがありますが、一方で、「提供される治療の選択肢が限られる」というデメリットもあります。対面診療を行うAGA専門クリニックなどでは、基本的な薬物療法に加えて、より多様な治療オプションを提供している場合があります。例えば、「注入療法(メソセラピー)」は、成長因子やミノキシジルなどの有効成分を頭皮に直接注入する治療法で、薬物療法の効果を高める目的などで用いられます。また、「低出力レーザー治療(LLLT)」は、レーザー光線を頭皮に照射し、毛母細胞の活性化や血行促進を図る治療法です。さらに、薬物療法で十分な効果が得られない場合や、より確実な見た目の改善を求める場合には、「自毛植毛」という外科的な手術も選択肢となります。これらの注入療法、レーザー治療、自毛植毛といった治療法は、専門的な機器や設備、そして高度な技術が必要となるため、オンライン診療で提供することはできません。したがって、オンライン診療で基本的な薬物療法を開始し、もし効果が不十分であったり、他の治療法も試してみたいと考えたりした場合には、結局、改めて対面診療のクリニックを探して受診する必要が出てくる可能性があります。最初から、より幅広い治療の選択肢を検討したいと考えている方や、将来的に薬物療法以外の治療も視野に入れている方にとっては、オンライン診療の治療メニューの限定性はデメリットとなるかもしれません。治療を開始する前に、オンライン診療で提供されている治療法が、自分の希望や症状のレベルに合っているのかどうかをよく考える必要があります。
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