薬局で購入できる市販のミノキシジル外用薬と、クリニックで医師に処方してもらうミノキシジル(処方薬)には、いくつかの違いがあります。どちらを選ぶか検討する上で、これらの違いを理解しておきましょう。最も大きな違いの一つが、「濃度の選択肢」です。市販されているミノキシジル外用薬の濃度は、男性用で最大5%、女性用で最大1%が一般的です。一方、クリニックでは、医師の判断のもと、これらの濃度に加えて、より高濃度のミノキシジル外用薬(例えば、男性用に10%や15%、女性用に2%など)が処方されることがあります。濃度が高ければ必ずしも効果が高いとは限りませんが、市販薬で効果が不十分だった場合に、高濃度製剤が有効なケースもあります。ただし、濃度が高くなると、副作用のリスクも高まる可能性があるため、医師による慎重な判断と経過観察が必要です。次に、「内服薬(飲み薬)の選択肢」です。薬局ではミノキシジルの内服薬は購入できません。しかし、一部のクリニックでは、医師の判断と責任において、ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット、通称ミノタブ)が処方されることがあります。内服薬は外用薬よりも高い発毛効果が期待される一方で、全身性の副作用(動悸、むくみ、多毛など)のリスクも格段に高まります。国内ではAGA治療薬として未承認であるため、その処方には非常に慎重な判断が求められます。さらに、「他の治療薬との併用」という点でも違いがあります。AGA治療においては、ミノキシジル外用薬と、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬(DHT抑制薬)を併用することが、効果を高める上で非常に重要とされています。これらの内服薬は医師の処方が必要となるため、薬局での購入はできません。クリニックでは、個々の症状に合わせて、これらの薬剤を適切に組み合わせた処方が可能です。「医師による診断とフォローアップ」の有無も大きな違いです。クリニックでは、治療開始前に正確な診断が行われ、治療中も定期的に効果や副作用をチェックしてもらえます。これにより、安全かつ効果的に治療を進めることができます。市販薬は手軽ですが、治療の選択肢や専門的なサポートという点では、処方薬に軍配が上がると言えるでしょう。
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