AGA（男性型脱毛症）は、多くの場合、頭部の特定の部位から進行し始めるという特徴があります。そのため、「はげ始め」の前兆も、これらの部位に現れやすいと言えます。特に注意してチェックしたいのが、「前頭部の生え際（M字部分）」と「頭頂部（つむじ周辺）」です。まず、「前頭部の生え際」です。AGAの典型的なパターンの一つとして、左右の剃り込み部分、いわゆる「M字部分」から後退していくケースが多く見られます。前兆としては、まず生え際の髪の毛が細く、産毛のようになってくることが挙げられます。以前はしっかりとした髪が生えていたはずなのに、いつの間にか弱々しい毛に置き換わっている、と感じたら要注意です。そして、徐々にそのM字部分の境界線が後退していき、「おでこが広くなった」「M字の切れ込みが深くなった」と感じるようになります。毎日鏡でチェックするのはもちろん、時々、昔の写真と見比べてみるのも変化に気づくきっかけになります。次に、「頭頂部（つむじ周辺）」です。こちらもAGAが進行しやすい部位で、「O字型」と呼ばれるパターンです。前兆としては、つむじ周りの髪の毛にハリやコシがなくなり、ボリュームダウンしてくることが挙げられます。髪の密度が低下し、地肌が透けて見える範囲が広がってきます。「つむじが大きくなったように見える」「頭頂部の地肌が目立つようになった」と感じたら、AGAが始まっているサインかもしれません。つむじは自分では見えにくいため、合わせ鏡を使ったり、スマートフォンのカメラで定期的に撮影したりして、客観的に状態を確認することが大切です。なぜこれらの部位からAGAが始まりやすいのかというと、男性ホルモンDHTの影響を受けやすいアンドロゲンレセプターが、前頭部と頭頂部の毛根に多く存在するためです。側頭部や後頭部は比較的影響を受けにくいとされています。もし、これらの要注意ゾーンに、抜け毛の増加や髪質の変化といった他のサインと合わせて、薄毛の兆候が現れてきたら、それはAGAの前兆である可能性が非常に高いと考えられます。