抜け毛の悩みで病院を受診する際、気になるのが「治療費用」と「健康保険の適用」についてです。治療にかかる費用は、抜け毛の原因や治療内容によって大きく異なります。まず、健康保険が適用されるかどうかですが、これは「抜け毛の原因」によって決まります。もし、抜け毛の原因が「AGA（男性型脱毛症）」や「FAGA（女性男性型脱毛症）」であると診断された場合、これらの治療は美容目的とみなされるため、原則として健康保険は適用されません。診察料、検査料（血液検査などを自由診療で行う場合）、処方される薬剤（フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど）の費用は、すべて全額自己負担の「自由診療」となります。自由診療の費用は医療機関によって異なるため、事前に確認が必要です。一方、抜け毛の原因が「円形脱毛症」や「脂漏性皮膚炎」などの皮膚疾患、あるいは「甲状腺疾患」や「貧血」といった内科的な病気であると診断された場合は、これらの病気の治療は健康保険の適用対象となります。診察料、検査料、処方される薬剤（ステロイド外用薬、抗真菌薬、甲状腺ホルモン薬、鉄剤など）の費用は、保険診療のルールに基づき、一部負担（通常1割～3割）で済みます。つまり、抜け毛という症状自体に保険がきくのではなく、その原因となっている「病気」の治療に保険がきく、ということです。したがって、病院を受診する際には、まず医師に正確な診断をしてもらうことが、費用面を考える上でも非常に重要になります。AGAと診断された場合は自由診療となることを念頭に、治療にかかる費用（月々の薬代、診察料など）について、事前にクリニックに確認し、無理なく継続できるかを検討する必要があります。保険適用の疾患と診断された場合は、保険診療の範囲内で治療を受けることができます。どちらの場合でも、費用について不明な点があれば、遠慮なく医師やスタッフに質問するようにしましょう。