女性の薄毛の悩みは、男性のAGA(男性型脱毛症)とは異なる特徴を持つことが多く、その原因も様々です。代表的な原因とその特徴を知っておくことで、ご自身の状態を理解する手がかりになります。1. びまん性脱毛症/FAGA(女性男性型脱毛症): 女性の薄毛で最も多いタイプです。特定の部位だけでなく、頭部全体の髪の毛が均等に細くなり、密度が低下してボリュームが失われます。分け目やつむじ周りの地肌が透けて見えるようになるのが特徴です。加齢による女性ホルモンの減少や、遺伝的要因、男性ホルモンの影響などが関与していると考えられています。進行は比較的ゆっくりなことが多いです。2. 分娩後脱毛症: 出産後2~3ヶ月頃から始まる、一時的な抜け毛の増加です。妊娠中に高まっていた女性ホルモンが出産後に急激に減少することで、ヘアサイクルが一斉に休止期に入り、まとまって髪が抜けます。通常は産後半年~1年程度で自然に回復します。3. 牽引性脱毛症: ポニーテールやお団子ヘア、きつい編み込みなど、髪を強く引っ張り続ける髪型を長時間続けることで、毛根に負担がかかり、生え際や分け目などの髪が抜けてしまう状態です。髪型を変えることで改善が期待できます。4. 円形脱毛症: 自己免疫疾患の一つで、突然コインのような円形または楕円形に髪が抜けます。子供から大人まで、年齢・性別に関係なく発症します。ストレスが引き金になることもあります。5. 脂漏性皮膚炎などによる脱毛: 頭皮の皮脂分泌の異常や真菌(カビ)の影響で炎症が起こり、フケやかゆみとともに抜け毛が増えることがあります。6. 全身性疾患に伴う脱毛: 甲状腺機能の異常(亢進症・低下症)、貧血(特に鉄欠乏性貧血)、膠原病などが原因で脱毛が起こることがあります。7. 栄養不足・ストレス・睡眠不足: 過度なダイエットや偏食、強いストレス、慢性的な睡眠不足なども、髪の成長を妨げ、抜け毛の原因となります。このように、原因は多岐にわたります。自己判断は難しいため、気になる症状がある場合は、専門医に相談して原因を特定することが重要です。
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