AGA(男性型脱毛症)の最も分かりやすい前兆の一つとして、「抜け毛の変化」が挙げられます。ただし、単に「抜け毛が増えた」という量だけの問題ではありません。「抜ける髪の毛の質」にも注目することが、AGAのサインを見極める上で非常に重要になります。まず、「抜け毛の量」についてです。健康な人でも1日に50本から100本程度の髪は自然に抜けています。そのため、多少抜け毛が増えたからといって、すぐにAGAだと断定することはできません。季節の変わり目や、一時的なストレス、生活習慣の乱れなどでも抜け毛は増えることがあります。しかし、以前と比べて明らかに抜け毛の量が増え、その状態が数週間以上続くようであれば、注意が必要です。シャンプー時や朝起きた時の枕などをチェックし、「明らかに増えた」という感覚があるかどうかがポイントです。そして、量以上に注目すべきなのが「抜け毛の質」です。抜け落ちた髪の毛をよく観察してみてください。太くて長く、しっかりとした黒々とした髪の毛(硬毛)であれば、それはヘアサイクルの終わりに伴う自然な抜け毛である可能性が高いです。しかし、抜け毛の中に、明らかに「細くて短い毛」「色も薄く、弱々しい毛(軟毛)」が多く混じっている場合は、AGAの前兆である可能性が高まります。AGAは、髪の毛の成長期を短縮させてしまうため、髪が十分に太く長く成長する前に、未熟な状態で抜け落ちてしまうのです。この「軟毛」の抜け毛が増えるという現象は、AGAが進行し始めている非常に重要なサインと言えます。また、毛根部分が萎縮していたり、形がいびつだったりする毛が混じっている場合も注意が必要です。抜け毛の量を気にするだけでなく、ぜひ一度、抜け落ちた髪の毛の「質」にも目を向けてみてください。そこにAGAの初期サインが隠れているかもしれません。
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