抜け毛から始まるAGA全記録

遺伝的に薄毛になりやすい体質だと分かっても、そこで諦める必要は全くありません。遺伝という設計図に、日々の「食事」という栄養を与えることで、髪の健康状態は大きく変わってきます。健やかな髪を育むための栄養素を意識的に摂取することは、遺伝的なリスクに立ち向かうための、最も基本的で強力な武器となるのです。内側から体質を整え、遺伝に負けない髪を育むための食事法を見ていきましょう。まず、何をおいても基本となるのが、髪の主成分である「タンパク質」です。私たちの髪の毛の約90%は、「ケラチン」というタンパク質でできています。どんなに他の栄養素を摂っても、この材料が不足していては、丈夫な髪は作れません。肉、魚、卵といった動物性タンパク質と、大豆製品などの植物性タンパク質を、毎日の食事でバランス良く摂取することを心がけましょう。次に、女性の薄毛対策で特に注目したいのが、「イソフラボン」です。大豆製品に豊富に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをすることが知られています。加齢などによってエストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、薄毛が進行しやすくなります。イソフラボンを摂取することで、このホルモンバランスの乱れを緩やかにし、髪の健康をサポートする効果が期待できます。豆腐、納豆、豆乳などを、積極的に食生活に取り入れましょう。また、タンパク質を効率よく髪に変えるためには、「亜鉛」の働きが不可欠です。亜鉛は、ケラチンの合成を助ける重要なミネラルですが、現代人に不足しがちな栄養素の一つです。牡蠣や牛肉の赤身、レバー、チーズなどに多く含まれています。さらに、女性は月経によって「鉄分」が不足しがちです。鉄分不足は貧血を招き、頭皮への酸素供給を滞らせる原因となります。レバーやほうれん草、ひじきなどを意識して摂り、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。これらの栄養素を、サプリメントだけに頼るのではなく、日々の食事からバランス良く摂取すること。それが、遺伝という体質に内側からアプローチし、健やかで美しい髪を育むための王道なのです。